44年間 故障なしで正確

42歳の時、京都山科の百貨店でSEIKOの腕時計を買った。四角の薄い縁に金メッキがしてあり、 算用数字があるだけのシンプルなデザインであった。当時の月給の半額ぐらいで高かったが、 デザインが気に入って買ったのだ。
それ以来、風呂へ入るとき以外ずっとつけっぱなしで、現在86歳の44年間、一度も故障せず、 いまだに正確な時刻を刻んでいる。
53歳から4年間、今の妻とデートを続けて、京都と相手の岡山の間を新幹線でよく行き来し たが、時計が正確なので時刻表どうりに乗車できた。
結婚後、よく外国旅行したが、旅行社が指定する時間を守るのにも、正確な SEIKOが頼りになった。
電池式で3年に一度時計店で電池交換している。いつも同じ店でするのだが、 〇〇年間正確に動き続けていると自慢したい気持ちになるが、寡黙な自分はまだ口に出せて いない。よく腕時計を置き忘れたと嘆く話を聞くが、私は、入浴時以外は外さないので失い ようがない。
それにしても日本の製品は本当に正確で丈夫である。それは時計に限らず、自動車、カメラ、 バイク、シャワートイレ、テレビ、パソコンetc.
カメラも日本製のC社のものを30歳位からずっと使っている。現在のは3台目であるが、どれ も故障して買い替えたのではなく長年の使用により、手垢のひどい付着や、システムの進化に よる買い替えである。今使っているカメラも日本画の主題探しに大活躍しており、20年目で あるがなんの支障もない。
パソコンも日本製で4台目。快適に動いてくれる。
国産品の高い品質は、最高を目指す、不可能を可能にするという日本人の精神が生み出してい るのだろう。
  
                       松本義平

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